各国経済の行く末を見る際に、人口ボーナスこそ最重要のファクトである。「高度成長か停滞経済か」は人口動態で決まる。世界の投資家等は「人口ボーナス」を最重視している。基礎的な理論で、生産関数がある。生産関数とはGDPが何によって決定されるかを示した方程式である。技術・資本・労働(・土地)がその要素であるが、現在、技術革新によって高度成長を再現する事は困難、マネーサプライ不足も懸念がない(金融政策が適正ならば)。一方、労働力は影響力を持ち、労働力量により景気・不景気の決定的影響を持つ。日本は2000年~2005年に労働力人口減少が既に始まっている。人口ボーナスが終了し高齢化になる事で、経済停滞が生まれる。我々はこの状況下でどうのようにビジネスを展開していくかという重要な3点を記載したい。
① 独自性
自社(自身)にしか出来ないビジネス(商品・サービス)かどうか?
この独自性については、経営者の多くが思い込みにより決断するケースが散見される。例えば、わが社は人的繋がりが強い・販売ルートが確立されている・独特の味がある等。これらは独自性ではなく、特徴である。自分自身を納得させているようも見える。これは自己流病というもので一番やっかいな病気の一つである。
② 排他性
市場の参入障壁があるのか?ないのか?
小さい市場で、大きいシェアを取る。局地戦戦略の1つである。これも上記と同じく、大きいシェアを取ったつもりが、四方八方から競争相手が参入する。本当に小さい市場なのか?を深い検証を要する。また、ここに時間軸を入れ、今後、他業種からの参入時のブロックを準備しておかねばならない。
③ 儲け
利益を上げなければビジネスではない。最近では少なくなったが、儲ける事が悪である等、全く間違った認識の方がいる事は残念である。利益を上げて納税する。当然の義務である。
弊社は中小・小規模事業者から様々な経営に纏わる相談を受けている。経営能力不足という問題は、中小・小規模事業者において深刻な問題である。企業を活性化・再生するものは資金力でなく、経営力である。倒産や業績不振の大半は経営者が起こしたものである。「戦後のアメリカで最も発達した技術は、企業を経営する技術である」とピーター・ドラッカー氏が言っている。日米の競争力の差はこれに起因している。
中小企業庁作成「中小企業・小規模事業者の現状と課題(平成28年10月)」によると、中小企業・小規模事業者は減少が続き、ここ20年間で約120万者減少。最近、倒産件数は減少しているが、休廃業・解散は高水準で推移しているという実態がある。喜び勇んで倒産・休廃業・解散を決心する経営者は少ない。窮地に立った経営者からは、こんな筈でなかったという声をよく聞く。しかし、未来は現在とは違う。未来は、それが現在といかに違ったものになるとしても、現在からしか到達できない。未来への飛躍は現在の決断から始まる。
年齢・性別関わらず経営力を身に付け、今まで以上にチャレンジできる社会への変革を期待し、中小・小規模事業者へ支援をしたいと考える。
アール・エム総研株式会社
代表取締役 三倉 功 <認定事業再生士・企業危機管理士>
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